水仕事でお湯や洗剤をよく使う家事をされている方々によくみられるのが手荒れです。他にも水をよく使う美容師、飲食店員、紙やパソコンを良く触る事務員、銀行員の方など、日常的に頻繁に手先を使う方によく見られます。主婦の方がよくなることから別名“主婦湿疹”とも言われる病気です。
また、肌が敏感な方やアトビー素因を持つ方にも多く見られ、一旦悪化すると治りずらい疾患です。
アトピー素因とは、
- 本人もしくは家族が気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数の疾患を有している。
- アレルギーと深い関係がある免疫物質(IgE抗体)を作りやすい体質である。
上記の2つに該当する場合を示します。
原因と主な症状
手荒れの原因としては、水仕事や繰り返し手指を使う刺激により皮膚を保護している皮脂が過度に取れてしまうことや、アレルギーが原因の場合もあります。
続けて作業することによってなかなか回復しずらく、悪化が止まらないことも特徴です。
繰り返す作業により表面が摩耗し、弾力が失われます。それによりひび割れや水疱ができ、皮が剥けることもあります。
手荒れは一度発症すると治りずらく、慢性化しやすい疾患のひとつです。
市販薬やクリームでも良くならず、症状が続く場合は早めに皮膚科で治療し、症状に合ったお薬で治療することがおすすめです。
治療方法
手荒れの治療法として一般的なものは、投薬療法です。
ステロイド外用剤 | 手荒れによる湿疹の炎症をおさえる |
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保湿剤 | 乾燥した皮膚を湿潤する |
抗ヒスタミン剤 抗アレルギー剤 |
炎症やかゆみを抑える |
症状に応じて、上記3つの薬を処方していきます。
かゆみや湿疹がなくなった場合も、ざらつきやかさつきが残っている場合は、まだ手に炎症細胞が残っていることがありますので、適宜お薬は続けていただく方がよいです。
手荒れは、日常生活において以下の点を心がけることも大切です。
- 手袋を着用し、刺激を回避、防御する。
- 頻回な洗いは避ける(うるおいが逃げてしまいます)
- 炊事・家事などの仕事を減らす工夫をし、手の負担を極力減らす