「いぼ」は「たこ」や「うおのめ」と似ているものかと思われがちですが、実は全く違うもので、ウイルス性であることが特徴です。
見た目にも違いがあり、いぼは一般的に表面がガサガサで削ると出血してきます。「たこ」や「うおのめ」のように皮紋という模様はありません。
いぼの原因と主な症状
指がささくれたり、足の裏に気づかぬうちに小さな傷ができることは誰にでもよくあることで、実は普段から人は目に見えないような傷を作ったりしています。いぼはその傷口から「ヒト乳頭腫ウィルス」というものに感染して起こります。
いぼは基本的に痛みやかゆみが起こることは少ないですが、いぼができる部分によっては痛くなることもあります。
できやすい部位は手足の指や足底で、表面がザラザラしていることが特徴です。ドームのように盛り上がってくることが多いですが、足底にできた場合は平らなこともあり、平らな場合にたこやうおのめと間違われがちです。
触ると出血しますので、無理に取ろうとせず、皮膚科で処置を受けることをおすすめします。
治療方法
液体窒素
いぼの治療では最も一般的な治療法です。
液体窒素に浸した綿棒を数秒間イボに直接あてて凍らせます。痛みが伴うこともあります。また、一度で治らない場合は1〜2週間ごとに続ける必要があります。根を取り損ねてしまうと再発の可能性もあります。保険診療内で行っていただくことができます。
内服薬
痛みのない治療法ですが、いぼの形状や種類によって効果が出にくい場合もあります。いぼの種類や大きさ、症状によって対応も変わりますので、専門医の相談の下、治療することがおすすめです。
その他
レーザー治療や電気メスでイボを焼く方法、グルタルアルデヒド塗布法、接触免疫療法などもあります。
水いぼの原因と主な症状
水いぼの正式名称は「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と言います。
原因としては、ウィルスによる接触感染で、直接患部に触れていなくても、タオルや衣類などを介して感染するケースがあります。患部を触った手で他の物に触れ、それを介して周りの家族や学校で広がることもあります。ですので、とくにお子さんに見られることの多い病気で、更にアトピー性皮膚炎など肌のバリア機能が落ちている方にも感染しやすい傾向があります。
いぼと水いぼは原因となるウイルスの種類が異なります。免疫ができることで発症しなくなると言われています。
多くの場合は1から3mm程度の白いいぼがぽつぽとと首や胸、わきの下、ひじ、ひざなどにでき、かゆみを伴うこともあります。
治療方法
- ウイルスの芯を除去
最も一般的な治療法で、専用のピンセットを使用してウイルスの芯を取り除きます。
痛みを伴いますが、水いぼは伝染性があるので、全身に広がってしまったり、人にうつしてしまう前に早めに治療するように努めましょう。 - 投薬療法(ヨクイニンの服用)
- イソジンの塗布
ご注意いただきたいこと
「いぼ」も「水いぼ」もウィルスによる疾患です。患部を触ったり、かいたりしているうちにイボがつぶれ、ウイルスが他の部位に付着することで感染し拡がってしまいます。なるべくつぶさないように注意しましょう。
また、特に水いぼは、感染力が強いため、他の人にうつらないよう、
- 家族ともタオルや衣類は共有しない
- プールや公衆浴場は避ける
などの配慮が必要です。